通信制高校への進学を考えたとき、「学費ってどれくらいかかるんだろう?」「公立と私立の費用差は大きいの?」と不安になりますよね。実は通信制高校の学費は全日制と比べると比較的おさえやすい一方、学校ごと・制度の活用状況によって大きく変動します。
この記事では、通信制高校の学費の特徴から、学費を抑えるための支援制度や具体的な支払い方法まで詳しく解説します。読むことで、「うちの家庭でも負担なく通えるのかな?」という不安が解消され、通信制高校進学後の楽しい学校生活をイメージできるようになるはずです。ぜひ最後までチェックして、あなたやお子さんに合った進路選びの第一歩を踏み出してみてくださいね。
通信制高校の学費の特徴
通信制高校の学費は、単位数に応じた授業料がベースになり、そこに入学金や教材費などが加わる点が最大の特徴です。公立は授業料が比較的安く、私立はサポート体制などが充実しているため費用が高めになる傾向があります。とはいえ、公立・私立どちらを選んでも、国や自治体の支援制度をうまく活用すれば学費負担を大幅に軽減できる可能性があります。そこで、まずは通信制高校の全体的な学費構造を見ていきましょう。そのうえで、以下の各h3見出しで詳しい内訳や注意点、支援制度などを解説していきます。
通信制高校の学費の内訳
入学金
通信制高校に入学するとき、まず一度きり必要になるのが入学金です。
- 公立の場合:ごく少額(例:東京都立で500円など)
- 私立の場合:1万円~5万円程度が相場
私立でも学校によっては「特待生入試」などで入学金を減免するケースがあります。入学後にかかる費用とあわせて、入学金の有無や金額も確認しておくと安心です。
授業料
授業料は通信制高校の学費の中心で、履修する単位×1単位あたりの単価で計算されます。
- 公立の場合:1単位数百円(例:1単位300円前後)
- 私立の場合:1単位7,000~12,000円程度
年間25~30単位履修すると仮定したとき、公立なら年間1万円前後、私立では20~30万円程度になることが多いです。なお、学校によっては月額定額制や週5日通学コースなど、多様な料金形態を用意している場合もあります。
教材費
通信制高校では、主に自宅学習用の教科書・参考書・学習資料などが必要となり、年間で数万円ほど教材費を見込んでおくと安心です。
- 公立の場合:年間3万円程度
- 私立の場合:年間6万円程度
授業料のように就学支援金でカバーされるわけではないため、教材費分の予算もしっかり確保しましょう。
施設設備費・システム利用料
私立通信制高校では、オンラインシステムや学習サポート施設を整備しているぶん、施設設備費やシステム利用料が別途かかる場合があります。
- 公立の場合:ほぼ不要
- 私立の場合:年間2~6万円程度が多い
私立でオンライン授業や動画教材が充実している背景には、この費用が含まれていることがあるので、学校選びの際はサービス内容とあわせて比較検討してください。
スクーリング費用
通信制高校では、年に数回~月数回程度の面接指導(スクーリング)が義務づけられています。スクーリング自体の受講料は授業料に含まれる場合が多いですが、交通費や宿泊費は生徒負担です。学校が遠方の場合は宿泊費がかさむこともありますので、頻度や会場の場所をチェックしておきましょう。
サポート校利用費
通信制高校に在籍しながら、さらに民間のサポート校で学習支援を受ける場合は、サポート校の利用費が別途かかります。年間数十万円におよぶこともあり、就学支援金の対象外です。ただし、学習フォローが手厚い、登校スタイルを自由に選べるなどのメリットも大きいため、必要性と費用のバランスをよく検討すると良いでしょう。
公立と私立の通信制高校でかかる学費の違い
公立通信制は、都道府県などが運営することで授業料単価が圧倒的に安い(数百円/単位)点が最大の特徴です。結果として、年間数万円で通えるケースも珍しくありません。一方、私立通信制は授業料が年間20~60万円程度になる場合が多く、公立に比べると割高です。
しかしながら、私立は多様なコースやオンラインシステムの導入、イベントや専門授業の充実など魅力ある教育サービスを提供しているケースが豊富。学費負担だけでなく「どんな学びを実現したいか」という視点で検討するのがおすすめです。また、公立・私立いずれの場合も国の高等学校就学支援金制度を利用すれば公立なら授業料が実質0円、私立でも大幅な軽減が可能なので、後述の支援制度もぜひ確認してください。
学費が安い通信制高校の例(公立・私立)
学費負担を最小限に抑えたいなら、まずは公立通信制高校がおすすめです。入学金は数百円、授業料は1単位数百円程度、就学支援金を活用すればほぼ0円になることもあります。たとえば東京都立や神奈川県立など、全国の公立通信制高校は似た水準で、年間総額2万円前後というケースも珍しくありません。
私立通信制でも学費が比較的安い学校は存在します。たとえば、鹿島学園高等学校(通信制)の授業料は1単位7,000円、入学金5万円という事例があり、標準的な履修で年間25万円前後からスタート。翔洋学園高等学校は入学金0円・1単位8,000円と、私立のなかではかなり安価です。こういった学校なら就学支援金との併用で実質負担がさらに下がることも。私立を検討する際は、「学費モデルケース」を資料請求や学校説明会でしっかり確認すると安心です。
通信制高校の学費負担を軽減できる支援制度
高等学校就学支援金制度(授業料無償化)
- 概要
国が授業料の一部または全額を負担してくれる制度で、多くの高校生が利用可能です。世帯収入に応じて支給額が異なり、年収約590万円未満の世帯なら最大で年額39万6,000円が支給されます。 - 効果
公立通信制なら支援金の適用で授業料は実質0円になることが多く、私立通信制でも授業料の大半がカバーされるため、家計負担を大幅に下げられます。 - 申請方法
入学後、学校経由で必要書類を提出すればOK。マイナンバー等を使ったオンライン申請が一般的です。なお、入学金や教材費・施設設備費などの授業料以外の費用には支援金が充当されない点に注意しましょう。
自治体による学費支援策
国の就学支援金以外に、各自治体が独自に行っている授業料軽減助成や奨学給付金などの支援制度があります。たとえば東京都の場合、所得制限を撤廃して、都内私立高校の年48万4千円まで授業料を補助する「私立高等学校授業料軽減助成」を行っています。こうした制度と国の就学支援金を組み合わせると、私立でもかなり負担が減る可能性があるので、お住まいの自治体や学校に確認してみてください。
奨学金制度の活用
高校生向けには、返済が必要な貸与型だけでなく、返済不要の給付型奨学金も用意されています。たとえば文部科学省の「高校生等奨学給付金」は、低所得世帯向けに教材費や学用品費などの負担を一部サポートしてくれる制度です。このほか自治体や民間団体の奨学金もあり、成績優秀者や特定分野に秀でた生徒を支援するスカラーシップも存在します。経済的な不安がある場合は、こうした奨学金を併用することで、より安心して学習を続けられるでしょう。
通信制高校の特待生制度
私立通信制高校のなかには、特待生制度を独自に設けている学校もあります。スポーツや文化活動、学業成績などで優秀な実績を持つ生徒が特待生入試で合格すると、
- 入学金免除
- 授業料・施設設備費の減免
といった優遇を受けられるケースも。上手に活用すれば、私立でも負担を抑えつつ、充実した学習環境を得られる可能性があります。
通信制高校の学費の支払い方法・タイミング
一括払いと分割払いの選択肢
通信制高校の学費は、前期・後期の年2回に分けて払う方法が一般的ですが、学校によっては3回払い、月額払いといった分割プランを用意していることもあります。一括払いが厳しい場合は、入学前に事務局に相談し、分割や月々の支払計画を検討してみましょう。
学費の支払い方法(振込・ローンなど)と納入期限
多くの学校では指定口座への銀行振込が基本ですが、最近はコンビニ支払いやオンライン決済に対応しているケースもあります。期日までに納入が確認できないと入学手続きが取り消される恐れがあるので要注意です。一度にまとまった額を用意するのが難しい場合、信販会社などの教育ローンを利用して学費を立て替え、毎月少しずつ返済していく方法もあります。学校が提携するローンについて案内があることも多いので、迷ったら早めに相談すると安心です。
まとめ
通信制高校の学費は、公立なら年間数万円で済むケースも多く、私立でも就学支援金や自治体の助成を活用すれば負担を大きく抑えることができます。授業料以外に入学金や教材費、施設費など多彩な名目の費用が必要になる点は注意が必要ですが、それぞれの費用項目をしっかり理解し、家計や希望の学習スタイルに合った学校を選べば、不安なく通学を続けられるでしょう。
特に私立では、オンライン授業や専門コースなど魅力的なカリキュラムを用意しているところが多く、公立以上に自由度の高い学びを実現できます。
「公立なら安いから良い」「私立は高いから諦める」といった単純な判断ではなく、支援制度や特待生制度、サポート校の有無なども含めて総合的に検討することが大切です。ぜひこの記事を参考に、負担を抑えながら充実した通信制高校生活を目指してみてくださいね。